ビジネスバッグ:S様
中に仕切を兼ねたポケット、携帯入れ、ペン挿しを入れたS様のビジネス
バッグを納品しました。
【以下はこのバッグの制作過程です】
S様のビジネスバッグ制作に入りました。
こちらはハンドルと本体を繋ぐ一番力のかかる部分、
根革(ネガワ)作りです。
根革、この部分です。
金具は真鍮。
段差を無くし、金具がぐらつかないようにするために中に革を挟みます。
この後は着色、布海苔(ふのり)、磨き、やすりの作業を繰り返します。
今回は400番からにしました。
続いてハンドルの革を切り出し、後から作業しにくい所はこの段階で
磨いておきます。
縫うために接着剤を着けて圧着。
内側はピッグスエードです。
豚側はこのように裏から見ると分かり易い毛穴が特徴です。
革の表面、この革はそうでもないですがツルツルしている革の場合は
ゴムのりの付きが悪いので銀面(革の表面)を粗します。
ここが一番力が加わる部分なので、縫う方も相当力が入ります。
針が折れるとしたらここを縫っている時が多いです。
穴から真っ直ぐに針を抜かなければいけないのですが、どうしても斜め
に力が入ったりして、時にはペンチを使って抜いたり、年に何回かそう
ゆう事になります。
バッグ内側の仕切りを兼ねたポケット。
ファスナーは”ダブル”というスライダーを2つ付ける両開きに使うものな
のですが、スライダー1つ用の”シングル”よりも見た目が美しいので
好んで使っています。
手で触っても務歯(ムシ:金具の1個1個の事)にひっかかりが無く
滑らかな高級タイプです。
ポケット内側は、物がすっと入る事を考えて
ツルツルのアメ豚にしました。
続いて厚紙で作ったこれを使ってマチにファスナーを真っ直ぐに付けます。
最後にファスナーの引き手を作って完成です。
ありがとうございました。