レッツDIY_03:革を手で縫ってみます

前回の『レッツDIY_02:目打ちを作ってみましょう』では使えそうな物が出来たでしょうか。

今回はそれを使うか購入された菱目打ちを使って革に等間隔に穴を開けて糸で縫う方法のご紹介です。

 

本日の目標

革に穴を開け、手縫いの練習をしましょう

その前に手縫い手縫いってミシンと何が違うの

構造も違うのです。『手縫いとミシンの違い』に簡単にまとめましたので気になったらご一読ください。

 

1

糸を用意します。
糸は縫いたい長さの3.5〜4倍必要です。革の厚みにもよりますので、そこは臨機応変にお願いします◎(今回は1.5mm前後の牛革を使いました)

じゃあ下の写真のA~Bの間、7cm縫うとしたら。。

7×4=28cm それに針の折り返しに取られる分を下の画像のように4.5cmを2本分として、28 +(4.5×2)=37cm合計37cmくらいの糸が必要です。

 

2
蜜蝋をお持ちの方は用意してください。お持ちでない方はここは飛ばして「3」へ。

2−1: 糸に蜜蝋を3、4回ベタつく位に擦り込みます。
2−2: こんな感じで糸がピンと立つのを目安にしてください。

3
針に糸を通します。

 
2本の針のうちの1本に、1cmほど糸を通します。(通しにくい時は先を爪でギュッと平らに潰すと入りやすくなります)

 

糸の中心(この糸の場合、3本で縒(よ)ってあるので、真ん中の糸の中心)に針先を入れます。(解説のため大袈裟に開きましたが、実際は開く必要はありません)水色の丸の中のように、この時2回針先を通す縫っている時に糸が抜けにくくなります。

 

針先に入れた糸をズズズっと下に降ろします。

 

(左)この位まで来たら糸の赤丸の所を指で抑え、針の先端をもう片方の指でつまんで上へ引き抜きます

 

いかがでしょうか。残りのもう1本の針も同様に糸をつけて画像の状態になったら手縫いの糸のセット完了です。

私が使っている針はこちらです。太いのと細いのどちらをお勧めするか迷いますが、初めてでしたら太い方でどうでしょう。太い方は長さ62mm、細い方は49mmです。

amazonレビューを見ると「(糸を通すところが)折れやすい」とありましたが、針を抜く時に穴に対して真っ直ぐ抜かないとそうなりやすいと思います。私も厚い革を渾身の力で縫ったりどうしても真っ直ぐに抜けなくて針に無理な力をかけたら壊れた事が昔は、、、年に1、2回あったと思います。

 

4
革に穴を開けるためのガイドラインを引きます。

ネジ捻をお持ちの方は幅を3mm位にして革に線を引いてください。【ネジ捻】…革に手縫い用の穴を開ける時のガイドになる線を引く道具。ネジで幅を調節できます。

10年以上前に買ったので全く同じ物は見つからなかったのですが、SEIWAさんやクラフト社さんで2,000円位の価格なら確かだと思います。amazonレビューで「8mmほどしか開かない」と低評価の方がいましたが、その通りで私のも最大8mmです。8mmも開いて使う場面は無くそうゆう物です◎ほとんどの場合は3mm前後開いて使います。

ネジ念が無くてもご安心を◎

ネジ捻が無い時は別の物で代用します。先がほどほどに丸まっている物、、ヘラやインクの無くなったボールペンなど、革を傷付けず、跡だけ残す物を探してください。

定規を革の切り口から3mmの所に当てて(練習なので適当に)何度か強くこすってください。

モデラは1つあると本当に使えます。最初に購入したのは予備校時代の粘土用で、その頃より今の方が断然使っています。指の代わりと言っては言い過ぎですが常に作業場で一番近い所にあります。両側の形状はこれがいいと思っています。

 

ネジ念にしても代用品で引くにしても跡がしっかり残る革とそうでない革がありますが、どちらがどうと言う事は無いので好みで選んでください

”跡が付きにくい”方はシワシワした模様があるのが多いね。

シュリンクレザーと言って、薬品に漬けたり型押しして表情をつけた革です。跡が付きにくいと言う事は普段使いでも傷が分かりづらいという利点があります。

『革の豆知識_傷の目立ちにくい革

 

5
4で付けた線に沿って革に穴を開けます。
幅も付いている刃の数も値段も色々で迷われると思います。ここで、そして普段最も使っている菱目打ちはこれです。実はこれ、起業前に革のオープンカレッジに通った時にセットに入っていたものです。「4本ヒシ目打 2.0mm」と書いてあります。この2.0mmは開く穴の大きさです。刃の中心と刃の中心は4mm離れています。あまり細かいと縫うのが大変で、開きすぎていると(個人的に)美しく感じない。やはり初心者さんには丁度いいサイズだと思います◎
切れ味が悪くなったら研いで使うので砥石も必要となります。

 

 

革に対して菱目打ち(又はフォーク目打ち)を垂直に立てて、木槌やプラスチックハンマー(ゴムのでもOK)で軽く2、3回叩いてください

4つ(又は3つ)穴が開いたら、菱目打ちを右にずらし、4つ目(又は3つ目)の穴に左端の1本を重ねて置いてください。

最後の1目を重ねる事で穴の間隔がズレずに綺麗な穴を開けられます。

 

注意フォーク目打ちは叩いているうちに曲がってきますので、時々直しながら力が真下に伝わるようにしてください。

 

白い革と茶色の革をそれぞれ菱目打ちとフォーク目打ちで穴開けしました

6
5で開けた穴に針を通します。

左側が革の表面になるように縦にセットしたら、最初の穴に針を通して丁度真ん中まで引っ張って右と左の糸を同じ長さにしてください。(基本的には向こうからこちらに向かって縫い進めます。製造上の理由があって逆になる事も私はありますが)では、縫い始めます。

:左側の針を2番目の穴に通します。がここで完全には糸を締め付けず画像のように左側に糸が余っている状態にしてください。

:右側の針を1と同じ(2番目の)穴に反対側から通します。この時1で余らせていた糸の輪っかの上を通すようにしてください

3:両方の糸(なるべく革に近いところが望ましいです)を持って革(穴)に対してなるべく垂直に引っ張りギュッと締めます。

これで1目縫えました。

あれ?糸が引っ張れないよ。

それは「2」で右側から針を刺した時に左の糸まで一緒に刺してしまっているからです。

上のように糸の中に針が入ってしまったら、そのまま引っ張らずに面倒でもやり直してください。最初のうちはこうなってしまう事があるかもしれませんが、練習でコツを掴めばそれもほとんど無くなるので安心してください◎

 

このような感じで縫えたでしょうか。

出来た!でもちょっとガタガタの所がある気がするんだけど

惜しいです。上の白い革の方は縫い目が全部揃っていますが、下の茶色の革の方は所々縫い目がおかしくなっています。(縫い目の間隔が途中から狭くなっているのは菱目打ちとフォーク目打ちを使ったためです)

 

縫い目が揃わなかった理由は左の画像ように右からの針が左の糸の輪っかの下に出てしまいそのまま引っ張ったからです。

下から出てしまったらちょっと針を引っ込めて輪っかの上に出し直してください。右の画像ように糸の上に出すと決めて縫っていけば縫い目は全部揃います。

ちょっとした事に感じるかもしれませんが、これで製品のクオリティーは上がります。

 

 

革を抑えるのに使う道具は、”レーシングポニー”(”馬”とも)などが既製品であります。私が使っているのはamazonのリンクを貼った物(に限りなく近い)なのですが15年前に使い始めご覧の通りパーツが色々壊れて今の姿になりました。

新品時はネジがあったので留めて抑えて縫っていましたが、この道具は膝の間に挟んで固定して縫う使い方をしている方もいる位なので今の状態の方がむしろ使い易いです。木工が得意な方なら自作するのも全然ありだと思います。ですのでこれがオススメ、と言うのでは無くもっと安いのも出ているのでその辺を見て作るなりアレンジして頂ければ◎

 

小物制作に限りますが大きなクリップで抑えると言う手も。

 

万力、ベンチバイスも使えます。やはり小さなパーツを縫う時に限りますがこれは下の丸い部分がクルクル回るので角度も自由に変えられます。ゴムのカバーを外せば金属もがっちり抑えられ何かと活躍しています。

amazonのレビューに「ゴムなので対象物が動く」とありましたがそこは外せます。で、同じ方が言っている通りレザークラフトに向いている逆に言うと精密な作業には向いていないのだと私も思います。ただ、コスパが良いのです◎

ゴムのカバーを外せば金具を抑えるのにも。

 


 

『レッツDIY_01』では道具の説明
『レッツDIY_02』ではフォーク目打ちの作り方
そしてここで手縫いをご説明しました。次回『レッツDIY_04』では何か簡単で使える物を作りたいと思います。

もし、初めて革を買いに行きたいと考えている方がいたら<革まめ知識>のページの初めて革を買いに行く、その前に知っておくといい事も気持ちの上で(革ってどこで買うの?1頭分?小さいサイズでも売ってくれるの?など)参考になると思います。

次回もお付き合いください。
お疲れ様でした◎

 


ここで使っている道具のほとんどは「お勧め道具」のページで詳しくご紹介しています◎