リメイク ハンドル編_2
前回『レッツDIY_05:革のちょい足しハンドル編1』では、出来上がっている布バッグ(ショッピングバッグ)のハンドルの上から革を巻く方法を解説しました。(写真グレーの革) 今回はハンドルそのもの(写真手前の焦茶)を作ります。
長さも太さも変えられるから自由度が増すね。短いハンドルを肩にかけられる長さにしたり。
ショッピングバッグのハンドルを革で作り変えてみましょう _2
今回も簡単ですがいくつかポイントがあります。そこをちょっと気にしてもらえると完成度が上がります。
1.ショッピングバッグのハンドルを外し、今から作るサイズを考えます。
リッパー(108円〜)を使うと便利です。小さいサイズも便利かと買ったのですがこの普通のサイズの方がずっと持ち易く活躍しています。
リッパーは革を縫った麻糸を外す時にも使っています。特に修理で部分的にや革を傷つけたくない時も。
お持ちのバッグを参考にするなどして、革ハンドルの太さ長さを考えます。布とは張り、硬さが違うので注意が必要です。
2.サイズが決まったら革を切ります
参考に今回実際に作ったサイズです。手で持つだけの短いハンドルにするので
■ 長さ:284mm
■ 幅:21mm
※完成サイズを15として上下3mm余分にとっておきます。
上下3mmは後から切り落とします。詳しい理由はこちらをご一読ください
■ 革の厚み:1.4mm(厚みもお好みで)
以上を4枚です。
革は2本でも良いのですが、今回はせっかくなので裏から見ても綺麗な2枚貼り合わせのハンドルをご説明しようと思います。
3.2枚の革を貼り合わせます
半円、円の缶やプラスチック容器を探してください。
カン?どうしてここでそんな物が。
これを使って裏表の革を貼り合わせると綺麗に仕上がります。今回ぜひ覚えてもらいたいポイントです。
丸い缶などを使う
伸縮性が少ない硬くて厚い革の場合、平らな机の上で2枚を貼り合わせるとハンドルの形状に曲げた時、右のように内側の革にシワが寄り美しい仕上がりになりません。(曲げ方が緩ければ寄らない事もあります)
それに比べて、半円や円を使って2枚曲がった状態で張り合わせると左のように綺麗な仕上がりになります。
まずは2本とも革の中心に印をつけます。裏(写真奥)は見えなくなるのでボールペンでも何でも。
オススメの道具
表の場合は”銀ペン”を使うことが多いです。革の道具やさんによく置いてありますが、あれは300円ほどしますので、文房具売り場にある銀色のペンで大丈夫です。
要は後から消せればいいのです。銀ペンは綿棒に水をつけて擦ると消えます。(革によって消えにくい、消えない、擦った跡がついてしまう場合もあるので試してからにしてください)
金色のペンはダメなの?
どこにでも売っているスティックのり、消えいろPIT(ブルーの強力なタイプ)を使います。
オススメの道具
表裏になる革の、両方の内側にノリ付けしてください。(革用の接着剤の場合も貼り合わせる両面に付けます)両端25mm(長さはお好みで)は付けません。後からショッピングバッグの布を挟むためです。
革用の接着剤、エルスーパーボンド。私はずっとこれ(の大きいサイズ)です。
円(半円)の上に裏側になる革を置きます。両面テープで少し固定するとやり易いです。(参考までに直径14cmのプラスチックの円を使用)
表側になる革を中心を合わせて少しずつ貼り合せます。長い革の場合、反対側が張り付いてしまい焦るので、シリコンやゴムなどノリにつかないシートを挟んでおくと落ち着いて作業できます。
2枚貼り合わせると内側(裏側)の革が少し余ります。そして少しズレる事もありますが、上下3mmずつ大きく切ってあるので大丈夫です。(写真下)それよりここでは綺麗な曲線で貼り合わせる事が大事です。
こんなかんじです。
それを最終的なサイズ(今回の場合は幅15mm)に切り揃えます。端を3mmずつ切り落としますが、ここでこのハンドルと同じ高さの革(でも何でも)を定規の下に挟み、定規が斜めに傾かないようにします。
ハンドルの厚みがあるほど、これをやった方がカッターで切った時に革が直角に切れるからです。
オススメの道具
定規は三角定規が便利です。(直線の大きいのも持っていますが、それは大きい革を切り出す最初に使うくらいで)私は2等辺三角形の方しかほぼ使わないのですが、どれを買うにしても一番長い辺が30cm位の大きいもの、中まで方眼の線が入っているものをお勧めします。
ダサいのは重々承知で、こんな風に「持ち手」を付けるととても使い易いです。
ピシッと直角。
これを2本作ります。(上下は3mm切り落とした捨てる革です。)
4.ハンドルを縫います
ネジ念(写真左)または先の尖りすぎていない物で革の端から3mmの所に強めに線を引いて跡をつけます。
先を丸い彫刻刀で切り落とすと簡単に綺麗にな丸みに。
線に沿って穴を開けます。穴を開ける菱目打ち、フォーク目打ちは最後のひと穴を重ねると等間隔で綺麗に出来ます。
穴を開けたら麻糸に蜜ロウをすり込み、25mmの所(穴)から2本の針を使って縫います。
糸は縫う距離の3.5〜4倍必要です。ですが、ハンドルが長くて糸が長すぎて縫いづらい場合は縫いやすい長さで何回かに分けて縫ってください。
蜜ロウを刷り込む(動画)
針への糸の通し方(動画)
〃 (説明)
手縫いの方法 (動画)
〃 (説明)
それぞれあります。
片側縫い終わると少し曲がりますが、もう片方も縫うと真っ直ぐになります。糸はバッグに縫い付ける時にも必要なのでそのままにします。(つまり必要な糸の長さはその分も考慮してください)
縫い終わった糸は少し飛び出た状態なのでローラーや瓶の底などで落ち着かせます。出たままだと擦れて切れやすいので埋めるようなイメージです。
オススメの道具
amazonレビューで「無くてもなんとかなるけど、一度使うとあった方が絶対良いと思います」、その通りのローラーです。「使用中にキュルキュル音が出ますが、しょうが無いかね」と言うのは油を差して使用すれば驚くほど滑らかに音もなくなります。(その代わり差した部分から時々汚れた液が出てくるので注意です)「握り棒がもう少し太ければ」は私も同意見ですが、手の大きさにもよりますので自作の革カバーでフィット&愛着も沸くと言うものです◎
5.ハンドルをバッグに縫い付けます
バッグの布を革の間に挟みます。クリップなどで止めるとやりやすいです。
ちょっと待って、糸が毛羽立ってきたみたいだよ
ハンドルが長いと、縫っているうちに最初に刷り込んだ蜜蝋が無くなって糸が毛羽立って来る事があります。その時はまた蜜ロウを足してください。
1、2と縫っていくうちに縫う向きが基本の奥から手前と進める所、手前から奥の方がやり易い、もしくはそうでないと縫えない場所が出て来るかもしれません。
手前から奥へ進む時は左の針を入れるのは基本と一緒、その次の右の針を入れた時に先ほどの左の糸の輪(写真右のピンク)の下から針を抜き出すようにしてください。
3の奥から手前に進める場所に戻ったら(人によって違うかもしれません)また基本通り、左の輪の上から針を出して縫い進めます。
最後は2、3返し縫いをしてボンドで止めます。反対側も同様に縫い、もう1本のハンドルも縫い付けたら完成、
最後に中心に印をつけた銀ペンの跡を消します。(作業中に消えているかもしれません)綿棒などに水をつけて擦るだけです。
少し細めの15mm幅、長さ28.4cm、厚みは革が1枚1.4mmだったので2.8mm、この小ささのバッグなら耐久的にも十分なハンドルです。
大きなバッグで荷物が多い方はハンドルと布の接着部分を写真のように足すとより頑丈になりますし、デザイン的にもアレンジしたら面白いと思います。
2枚の革の間に少し厚みのある革をアンコのように挾むとまた違った感じでちょっと立派なハンドルになりますよ。
お付き合いありがとうございました。
お疲れ様でした◎
ここで使っている道具のほとんどは「お勧め道具」のページで詳しくご紹介しています◎