7時限:写真をトレースして簡単にイラストを_工業製品編
今回も5時限同様、下に写真を置いてトレース
してイラストを描きます。
同じ事を?
今回はピシッとした工業製品。
前回の「手」の時には使わなかった(必要なかった)
技も盛り込んでいます。
これを完成させる事で他にも応用できる
技を覚えられると思いますので是非◎
本日の目標
写真をトレースして工業製品を描きます
トレースする写真です。
ハサミ、マスキングテープ、消しゴム。
もし練習に適した画像がない場合はこの画像を
グイッとサイトの外にドラッグ&ドロップ
して使って頂ければと思います。
画像サイズは470×394pix 、72dpi です。
トレースすれば
何も無い状態から描くよりも正確に早く
出来ますし、パソコンで絵を描くハードルが
低くなると思います。
では始めます◎
写真を下に敷きます
(この辺は5時限と重複しますので
簡単に行きます。ですのでもっと詳しく
知りたい方は5時限も参考にしてください)
<ファイル>→<インポート>を選択
トレースする画像を選び、<Open>
をクリックします。(Macだとopenですが
Winは違うかもしれません)
レイヤー分けをする
全部同じレイヤー上で作業する事も出来ますが
今配置したハサミの画像を動かないように
した方が楽なので下の「+」マークで
レイヤーをもう1つ増やし
レイヤー1はハサミ画像用
レイヤー2はこれからトレースする用
にします。
(画面の右側にレイヤーが出ていない場合は
メニューの<レイヤー>→<レイヤー>を選ぶと
出ます。
レイヤー1の名前を分かりやすくhasami_g
にしました。
鍵マークをクリックしてロック=動かなく
します。(そのレイヤー上にある物の加工が
出来なくなります)
鍵マークの横の「目」をクリックして
つぶらせるとそのレイヤー上にある物が
画面に表示されなくなります。
作った物が「ない!」
となった時はうっかり押してしまっている
かもしれません。
あるある。
ペンツールでトレースします
左から「ペンツール」を選び
ハサミの先をクリック、
次の点からはクリックしたら少しドラッグして
ください。すると先に○が付いた棒が出来ます。
これがその後の微調整に役立ちます。
(更に詳しくはペンツールの詳しい説明をご覧ください)
画像中の説明のようにと中でペンツールを
止めて他の作業をした後でもそこから続ける
事ができます。
なだらかな線が描きたいのにカクッとなって
しまった時でも後から
「選択ノードの種類をスムーズに」で
なだらかに変換出来ます。
(この上のボタンは「ノードツール」を選択している
時に表示されます。
ツールごとに表示されるボタンが違います)
ノードツールで棒の先の丸を動かし
アウトラインをハサミのカーブに沿わせます。
ちょっと役立つオマケ話◎
右の「フィル/ストローク」のフィルで中を
分かりやすい色で塗り、下のハサミが見える
ように不透明度を適当に下げます。
厳密にアウトラインをとりたい時はズームツール
で拡大すると作業しやすいです。
全体を見たい時は「1」を押すと
1回で画面全体が表示されて便利です。
複製して反転します
ハサミの片方をペンツールで囲み終わったら
もう片方は複製で済ませます。
ええと、コピペじゃ。。。
コピペではダメな理由はこちらです。
(※コピペで大丈夫という事が分かりました◎
訂正致します。2018年5月10日)
ちなみにコピペした時に白がついてしまう方
(私のようにMacの方かもしれません)の
対処法は『8時限』をご覧ください。2018年5月11日
複製した物は元の物にピッタリくっ付いて
いるため、2つ重なって上の画像よりも
透けにくくなっているのが分かります。
複製した後、上のメニューから
<選択オブジェクトを垂直方向に反転>
をクリックします。
ずずずっと下に移動します。
なるほど。
デザインが対称の物はこうやって
作ると早いし正確だね
ハサミの持ち手の楕円を作ります
ハサミの持ち手部分、陸上のトラックのような
形を描く手順です。
<メニュー>→<矩形ツール>
で穴に合いそうな長方形を作ります。
ここからがインクスケープ、やるな
というポイントです。
タラタラ説明を書くより実際にやった方が早い
と思いつつ一応書きます。
今描いた四角の右上に○マークがあります。
実は○が2つ重なっていまして、
最初は下に下げるようにドラッグします。
(矩形ツールのままでもノードツールでも
どちらでも動かせます)
真ん中まで行くとそれ以上は下げられなくなり
陸上トラックが出来ます。
もうこの先は練習ですが
最初の○を下に下げると、もう1つ○が残っている
事が分かります。
それは左に動かせます。
そんな感じでハサミの穴に合う形を作ります。
楕円(とする)をもう1回クリックして四隅の
矢印が右上の形になると傾きを変えられます。
(クリックする毎に変わります)
ハサミの穴に合わせます。
ここまでで、こんな感じです。
(色は後で好きに変えられますので、
作業中は分かりやすさ重視でやっています)
持ち手の穴をくり抜きます
ハサミと楕円を選択して
<パス>→<排他>を選ぶと、
重なっている部分に穴が空きます。
ブヒ!
左下の白が乗っているのとは違い
くり抜かれているので、
他のイラストや写真の上に置いた時
空間が出来てなんだか気持ち良いです。
ちょっと役立つオマケ話◎
今のマウスは感度が良すぎて(インクスケープは
特にな気がします)作業している枠(ページ)が
不意にどこかに行ってしまっている事があります。
そんな時、一生懸命探すもよし。
でも、「ズームツール」を選択している時に
上に出てくる4つのどれかをクリックすると
早いです。
作業に戻ります。
ここは、サイズの違う2つの楕円を作り
少し前に説明した「排他」を使って
持ち手の黄色いゴム枠を作りました。
(ストロークで線を太くするのでも出来ます。
色々な方法がありますー◎)
ゴムの枠も出来ました。
。。。ここまで終えてから
4で”複製して垂直に反転”
した方が早いですね
すみません。
実際はそうしてください。
「フィル/ストローク」で色を変更、
交差部分を金具で留めてハサミらしくなりました。
ハサミのパーツ全部を「選択ツール」で完全に囲むか
全てをshift(macの場合)を押しながらクリック、
メニューの<オブジェクト>→<グループ化>
してバラバラにならないようにするといいです。
続けてマスキングテープもやってみます。
ストロークを更に詳しく
イラストを描いていると頻繁に出てくる
「フィル/ストローク」。中の塗りと外側の線ですね。
今回は必要ないのですが、せっかくなので
ストロークを更に詳しくご説明します。
上の2つの円は同じ大きさ、
同じ線(ストローク)の太さ、なのですが
線の太さは明らかに違うよ?
ですね。どこから線が始まるかの違いと言いますかー
ストロークが同じ「4」として
上の円は線の中心から両側に4/4。
下の円は外側のみに4 です。
そうゆう設定を変えられるボタンです。
ではテープ作成に戻ります。
前後関係
「円、弧ツール」でテープの芯とテープ
2つの正円を(controlを押しながら)描き、
フィルは無し(×マーク)でストロークのみ
設定し「幅」をそれぞれの太さにします。
後に作った物が上(手前)に来るのですが、
この順番を変えたい時が度々あります。
今回も芯をテープの上に出したいとします。
そんな時は芯を選択、メニューの
<オブジェクト>から<前面へ>を選びます。
テープの方を選んで「背面へ」
でもいいって事だね
そうです先生。
3つ以上重なっている時は
「最前面へ」「最背面へ」
で一気にが便利です。
整列と配置
これも使えます、整列と配置。
2つの円の中心をコツコツ合わせてもいい
のですが、これを使うと正確に早く済みます。
2つを選択したら、右の「整列と配置」の
「中心を垂直軸に合わせる」で縦を合わせます。
次に「水平軸の中心に揃える」で横の
中心も合わせれば完了です。
これは数が増えた時にとても便利です。
上、下、右、左、色んな所を基本にを揃えたり
等間隔に並べるなどもあります。
使える。。
最後にこれもまたグループ化して
バラバラにならないようにして終了です。
後は色を変えたり大きさを変えたり
回転させてみたりとアレンジ自由です。
イラストだけで保存して使いたい、
写真画像の上に配置して使いたい、
どちらも
『4時限:アイコンをギンプでSNS用に保存します』
に詳しく書いています。
以上、
ピシッとした工業製品をトレース
する時に便利な技の解説でした。
次回は何をしましょうか。
どうぞお付き合いください◎
お疲れ様でした。