革の引っかきキズはどこまで直るのか
決して安くない革製品。
傷がつくのを気にしながら使うよりも革によっては意外と目立たなくなると知れば今より気楽に使えるのではないでしょうか。
製造工程(鞣し方)の違う2つの革を用意しました。
Aは表情があり柔らかめです。
Bはつるんとして硬めです。
テスト1:爪で軽く引っかきます
Aは傷が目立ちません。
Bは割と目立つ白っぽい跡が。
布で擦ります
A、B両方とも3往復布で擦りました。
ちょっと擦っただけで随分目立たなくなったね
別角度から。Bは擦って少し凹んでしまいましたが、この布の上で擦ったせいもありそうです。
堅い平らな台の上でやりましょう
Aは元々柔らかく弾力があるので凹みは見られません。
テスト2:カッターで引っかきます
テスト1はクリアしたので今度は少し厳し目のテストです。A、Bとも矢印の所を3回ずつカッターで引っかきました。
テスト1の時と同じく布で擦ります。ただし今度は強めに何度も何度も。Bは経年変化をしやすい革だけに擦った所の色が濃くなりましたが、擦る前に比べると明らかにキズは目立たなくなっています。
製造工程、仕上げの違い
Aは”顔料仕上げ”の革で例えるなら表面をオレンジ色のペンキで覆っているようなイメージです。基本剥がれにくいのですが一旦剥がれて下の色が見えてしまうと擦ってもダメでこれを直すには同じ色の顔料でキズ部分を埋める方法があります。
Bの”染料仕上げ”の革の方がキズは付きやすいのですが復元力があると言えます。手入れが好き、経年変化する革が好きという方はBです。
流石にカッター×3回は「綺麗に消えました!」と行きませんでした。
別のBと同じ作れら方の革でも1枚。
これは爪で引っかきました。油分の多い革という事もあり、一見物凄いキズが付いたように見えても表面だけのキズならここまで綺麗に◎
キズが付いて「あ〜残念」と思っている革製品も擦ってみるだけで意外な程綺麗になる事があります。
キズ部分だけ強く擦るとその部分だけ色が濃くなってしまいますのでその周りも含めてぼかすように、、。
試してみる価値ありです◎
*** ここからは2019年6月10日に追加しました ***
表面加工によって傷が目立ち易い革と目立ちにくい革があります。ざっくり言ってしまえばシュリンク加工された革(シュリンクレザー)や型押しの革は目立ちません。
それを書いた記事はこちら→『傷の目立ちにくい革』
*** ここからは2020年1月4日に追加しました ***
同じく”直す”シリーズです。
「レッツDIY_13」バッグのハンドルなど革の断面部分の塗料のひび割れ。これをスプーンと火で直します。結構簡単に気持ち悪さが無くなります◎